AppleがIntelプロセッサへの移行を発表

WWDC2005におけるSteve Jobs氏の講演にて、Appleは2007年までにIntelプロセッサに移行するという発表をしました。Macユーザにとっては肯定、否定を問わず衝撃のニュースですね。


今回の件に関してはAppleIBMを見放したというより、IBMAppleを見放した故のAppleの戦略転換なのだと私は考えています。IBMにとってはAppleのハードウェア戦略に付き合うよりもゲーム機市場にPowerPCを投入したほうが見返りが大きいという判断があるのでしょう。AppleのビジョンではPowerBook G5もPowerMac G5 3.0GHzも「既に出来ているはずだった」のに、現実には実現していませんからね。


Intelプロセッサ採用の理由として「電力消費の問題を解決している」「Intelのロードマップのほうがマッチしている」というのも、なんだかなと思います。Intelは4.0GHzのPentium4を断念し、マルチコア戦略に転換すると発表したのが去年の10月。ようやくマルチコアチップの戦略が明らかになったのが今年の3月なわけで、マルチコア戦略に関してIntelは出遅れている感があります。かといって、それ以外のロードマップが明らかなのかというとそうでもないですし。


一番の心配なのは、OS9以前のソフトウェア資産がいよいよもって危機的な状況になりそうだということ。印刷系のシステムのフロントエンドはMac OS9がまだまだ一般的で、ようやくOSXへの移行が進行しつつあるという現状ですからね。現場の人々をまた悩ませることになりそう。


今回の戦略の転換において、ハードウェア開発のコストダウン以外に何かメリットってあるのですかね?ということで期待3割、不安7割といったところでしょうか。皆さんの意見を聞いてみたいところです。