DiXiMに見るミドルウェアサードパーティの可能性

ITmediaの12日の記事でDLNAで一躍脚光を浴びる「DiXiM」とは何かという記事がありましたが、私にとっては大変刺激的な記事でした。


記事の内容を要約すると、家電・PC・携帯端末を接続するDLNA(Digital Living Network Alliance)という規格をサポートするミドルウェアデジオンという会社が開発し、それが大手家電メーカーの注目を集めているということだそうです。DLNAとは分かりやすく言ってしまえば、マルチメディアなどを扱うホームサーバ製品を企業を問わずに相互接続できるようにするための企業間で取り決めた通信規約のようなものであり、今後普及が期待されている技術であります。しかし、このようなインフラを各企業がそれぞれ独自に開発をして、しかもPC用のソフトまでリリースして、相互接続テストを行うのは相当煩わしい。そこで、サードパーティから出ているミドルウェアを利用しようという話になります。そうすれば自社の製品にそのミドルウェアを搭載することで、DLNAに対応した製品を安価に開発することができるというわけです。そのサードパーティは、特定の企業に偏ることもなく身軽に大手家電メーカーに自社のソフトを売り込むことができるわけで、こちらもお特という話になります。Win-Winの関係が成立していると言えますね。



私見ですが、ミドルウェアというビジネスが最も普及しているのはゲーム業界だと思ってます。それはPS2に見られるような近年の3DCGをふんだんに活用したゲームの開発はあまりにも高コストであり、ゲーム開発ツールキットや映像ライブラリを利用しないと開発できないという現状があるためです(近頃のゲームのインタフェースで「操作感が似ているな」というものが多いのはそのため)。この現象はおそらく家電製品なり携帯電話なり、もしくは分散協調型のアプリケーションなり今後の一層複雑化してゆくIT分野全般にも波及してゆくことでしょう。


今後、最新の機能をサポートしたミドルウェアを開発する身軽なサードパーティというものが活躍する場が広がってゆくのではないかと期待をしています。このDiMiXの例が好例ですね。今後とも複雑さが増してゆくITサービス分野で、ミドルウェアビジネスがどのように展開されてゆくのか要注目だと思います。