40字要約で仕事はどんどんうまくいく

プレゼン資料を作ったときや論文原稿を書いたとき、先輩から「もっとシンプルに」とか「論点がソリッド(明確)でない」とよく注意をされます。ですけど、伝えたいコトを簡潔に文章にするってなかなか難しいのですよね。自分が何を伝えたいのか分かってないときや、伝えたいコトが分かっていても適切に言葉が選べないとき、表現は冗長かつ曖昧になり相手に伝わりにくくなります。


というわけで、情報を簡潔にまとめ相手に伝えるスキルを向上させるために読んでみたのが「40字要約で仕事はどんどんうまくいく - 1日15分で身に付く習慣術」という本。文章の要約を訓練することで、情報の本質を捉える基礎力を身につけよう、という内容です。


この本がユニークなのは、「40字要約」と字数を明確に制限しているところです。要約スキルが重要だと主張している本は多々ありますが、この著者は「あらゆる情報を40字で要約する」ということを実践してきたとのこと。「歌人は短歌の31文字の中に数百字から数千字にも及ぶ内容を凝縮できる」という点に着目して40文字という制限を設けたそうです(要約ですから短歌と違って体言止めなどは許さず、文章として相手に伝えられる形式にする必要があるため、短歌よりも少し文字数を多くしたという話らしいです)。


文字数の制限を課すことによって、内容の選定を行い、さらに言葉の選定を行う必要が生じます。あらゆる情報を「40字要約」して本質を捉えて相手に伝えるという訓練を重ねることで、「思考能力」「読解能力」「表現力」「情報収集力」「交渉能力」「プレゼン能力」など、ビジネスパーソンに必要な能力を高めることが出来るというわけです。


この本には16の文章が例題として載っており、自分で解くことが出来ます。ひとつの文章につき1200字くらいあったりして最初は途方に暮れるのですが、40字という制限で考えてゆくうちに「この文章は結局何が言いたいんだ?」ということを真剣に考えるようになり、頭がスパークしてきてなかなか楽しくなってきます。


私のように「情報を簡潔にまとめる能力」を欲している人にはオススメの本です。もちろん、要約能力に自信のある人が自分の力をテストしてみるにも良い本です。


「制約」を与えることで得られる思考力と表現力、というものを学ぶことが出来ると思います;)