センス・オブ・プログラミング

pingoo氏からのオススメがあったのと、最近「人にプログラミングを教える」という機会が増えていることもあって手にしたのが本書。著者は「C言語ポインタ完全制覇」「Java謎+落とし穴徹底解明」など数々の良書を生み出している前橋和弥氏です。


パラパラとめくってまず思ったのはプログラム経験の無い新人の研修にそのまま使そうテキストだなと思ったこと。と、思ったら前橋氏は会社で新人教育をしているのですね。多分その経験を本にしたらこうなった、というモノなのでしょう。


この本は第0章から第8章に分かれています。

  • 第0章 はじめに (プログラムって何?という解説)
  • 第1章 プログラムの基礎(hello, world, 逐次実行、条件分岐etc..)
  • 第2章 プログラムが動作する仕組み(デジタル回路について。OSとは?コンパイラとは?)
  • 第3章 きれいなプログラムを書くために(コーディングスタイル、構造化プログラミング、命名デバッグetc...)
  • 第4章 データ構造 基礎編(構造体、配列、リスト、ツリー、スタック、キュー、ハッシュ)
  • 第5章 モジュールの分割 (モジュール化、情報の隠蔽)
  • 第6章 データ構造 応用編(モデリングUML、クラス図からプログラムに落とす)
  • 第7章 X-Word(ワープロのプログラムを作る)


第0章と第1章をひとつにまとめて、1章につき1日と考えれば一週間で「プログラムの基礎」を教えることが出来そうな内容になっています。まさしく教科書的な流れです。文体は以前の本までのぶっちゃけた感じとは違い、先生が生徒に教えるように「プログラミングの根底にある考え方」を説明しています。ですけど堅苦しさはあまり感じさせず、分かりやすいものに仕上がっています。


#個人的に「オブジェクト指向」と「ライブラリの使い方」に関する記述が不足しているのでそれらの章を加えるべきとも思いました:P。あと、言語がC, C++, Javaが入り乱れているところが賛否両論あるかと思います。私はこの形式が好きなのですが。



この本は、ある程度プログラムに習熟した人にとっても発見があると思います。「なぜ美しいプログラムを書くべきなのか」「なぜモジュール化を行うべきなのか」「データ構造とは何か」、そのへんをきちんと学びなおしたい人にもオススメですね。まさしく「入門書」「再入門書」であると思います。