「一年の計」を考察する(2) 〜戦略と戦術を区別する〜
前回のエントリーの続き。
前回は目標は検証可能な形式で記述したほうが良いと述べましたが、
- 「5kg減量し、最大血圧を140mmHg以下に抑える」
これを達成したかといって、必ずしも健康になったとは言い切れないのが困ったところです。
- 「(断食して)5kg減量し、(アルコールを摂取して)最大血圧を140mmHg以下に抑える」
こんなことでは何のための指標なのか分からないですね。
目標を設定する際には、戦略面と戦術面を区別して考えなければなりません。
戦略と戦術については混同しやすいので、意味を確認しておきます。
- 戦略(Strategy): 長期的・全体的展望に立った計画のこと。
- 戦術(Tactics): 短期的・個別的な視点に立った具体的な手段のこと。戦略の下位に属する。
これを踏まえて、
- 「5kg減量し、最大血圧を140mmHg以下に抑える」
という目標を以下のように
- (戦略)「生活習慣病にかからない健康的な生活を送る」
- (戦術)「5kg減量」「最大血圧を140mmHg以下に抑える」etc...
という2つの観点で見たとするならば、
「(断食して)5kg減量」、「(アルコールを摂取して)最大血圧を140mmHg以下に抑える」というのは一見目標を達成しているように見えますが、戦略的に外れているのでアウトなわけです。
戦略と戦術を区別することで、目標を上位と下位に分解することができます。
そしてここが重要なのですが、戦術は臨機応変に変えても構わないのですが、戦略は何があっても変えてはいけないということです。
戦術がいくらうまくいっても、戦略が達成できなければそれは無意味です。
逆に、戦略が達成できるならば、戦術は10個中9個失敗しても大きな問題ではないということですね。
ただ、普通は戦術がうまく行かないと戦略も達成できないものです。
戦略に則って戦術をうまくこなしていかないと、目標の達成は難しいと考えたほうがよいでしょう。
次回は、KGIとKPIという考え方を紹介したいと思います。